道中に登場する小さな看板を道案内に辿り着くのが、鬼無町の山の中にひっそりと佇む「薪焼きパン 小麦堂」。店主が、廃材を拾ってきて一から自己流で建てたという山小屋のパン屋さん。森の木々に囲まれてまるで童話に出てくるようなのどかな風景です。店内にはこれまた自作したというパンを焼くための大きな石釜が鎮座。薪を燃料に遠赤外線が出る石釜で焼くことによって、パンの皮が厚くなり水分が閉じ込められるため、もっちりした生地に仕上がるのだとか。

見た目もくすぐられる美しい網目の「カンパーニュ」も、この石釜で焼き上げたパン。 パリッとした皮は、薪の香ばしい風味がただよいます。ライ麦と全粒粉をブレンドした生地を食べると、小麦の旨味が口の中で広がります。そのままバターを塗ったり、薄く切ってサンドイッチ用のパンにしても美味。

時間があれば、隣のログハウスでコーヒーを飲みながらパンを味わうこともできます。天気のいい日には森の空気を浴びながらウッドデッキで過ごすのも贅沢な時間。こんなパン屋さんを知ってしまったら、誰かに教えたくなるはず。
（取材：にょろにょろ）